キムリア®の承認時に用いられた臨床試験では、解析可能であった75例中における寛解達成率は81%、無イベント生存率は6ヶ月で73%、1年で50%と報告されました1)。一方で、95%の症例でキムリア®輸注に関連した有害事象が認められました。最も頻繁にみられたのがサイトカイン放出症候群(CRS)で、77%の症例で発症し、神経系の事象は40%に発症しました。最近、この臨床試験の長期成績についての報告がなされましたが2)、それによれば、24ヶ月おける無イベント生存率は49.3%、36ヶ月で44.4%と1年後以降の生存率に大きな変化はありませんでした。また、キムリア®では治療後早期に患者さんの生活の質が改善することが報告されており、移植が中心となっていた従来の治療法における予後と比べると大きな改善といえます3)。
引用文献
1) Maude SL, et al. N Engl J Med. 2018.
2) Laetsch TW, et al. J Clin Oncol. 2022.
3) Laetsch TW, et al. Lancet Oncol. 2019.