一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

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第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会
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2. 移植に関わる医療者

最終更新日:2020年12月18日

従来、がん治療は、1人の医師を中心として行われることが多かったのですが、近年は、患者さん一人一人の状態に応じて、さまざまな専門の医療関連職種が連携し合って治療や支援を進めていくチーム医療が広まっています。チーム医療では、さまざまな専門職が、患者さんの治療方針や今ある課題や問題点について、それぞれの専門的知識やそれに基づいた意見を交換しながら検討して、全員が一丸となって治療に取り組んでいきます。以下に患者さんを支えるさまざまな分野の専門職を紹介します。

患者担当医
ドナー担当医
麻酔科医
看護師
薬剤師
臨床工学技士
栄養士
リハビリ療法士
臨床検査技師
輸血検査技師
造血細胞移植コーディネーター(HCTC)
メディカルソーシャルワーカー
精神科医・臨床心理士・公認心理師
歯科医・歯科衛生士
医事課職員
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患者担当医

患者さんへ造血幹細胞の移植を担当します。担当医は移植チームの中心的役割を担い、職種間の連携を図り、それぞれのスタッフが専門的立場から、患者さんに最善の治療を提供しかつQOL(生活の質)を維持・改善するために何ができるかを常に考え協力できるように調整します。患者さんが移植に賭けた思いや、ドナーの方の善意を決して無駄にすることのないよう、精一杯の努力を心がけます。
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ドナー担当医

ドナーになる方に造血幹細胞採取についてその手順および危険性に関して説明し、実際に採取を行います。

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麻酔科医

骨髄採取をするときは全身麻酔となりますので、術前に麻酔の必要性、手順および危険性について説明します。手術に際して麻酔を含めた全身管理を行います。
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看護師

看護師は移植前から移植後の長期的なフォローアップまで、移植治療の経過のどの段階でも患者さんに関わります。移植が必要となる疾患の治療の時に関わりが始まることもあります。移植前には主に移植の意思決定の支援と移植について適切な理解をしていただくための情報提供と相談、移植入院中には指示された薬剤の適切で確実な投与、感染や口内炎などの副作用のモニタリングやその対応、お辛い状況の中での精神的支援、生着後の経過に関する情報提供と症状に対するセルフケア支援、退院後には 長期フォローアップ(LTFU)外来にて、GVHDを含む移植後に起こりうるさまざまな日常生活上の問題への相談やケアをします。
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薬剤師

薬剤の専門家です。造血幹細胞移植では、様々な薬剤を長期にわたり使用します。内服薬の効果や飲み方、副作用に関して患者さんに説明します。チーム医療に一員として化学療法の選択などに関しても担当医に薬学的な情報を提供します。また、抗生物質、抗真菌剤および抗ウイルス薬の種類や量、免疫抑制剤の投与量に関しても、専門的な知識を持って担当医とともに検討しています。
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臨床工学技士

末梢血幹細胞採取ドナーリンパ球輸注のリンパ球採取の際に用いる血液成分分離装置の操作を担当します。その他病院で用いる各種医療機器の操作や保守点検にも携わっています。
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栄養士

造血幹細胞移植では、食欲低下や吐き気、下痢、口内炎なのでの治療関連副作用によって十分な食事が摂れないことがしばしば発生します。そこで栄養士が医師や看護師と情報共有し病状に合わせた食事を提案し、少しでも食事が摂取していただけるように工夫します。

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リハビリ療法士

移植を受ける皆さんは、それまでに何らかの治療を受けていることが多く、その影響で、移植を受ける時にはすでに同じ性別・年齢の方と比べて筋力や体力が低下していることが多く見受けられます。移植治療には多くの有害事象が起こり、長期に及ぶため、さらに筋力や体力が低下します。
治療期間を安全に過ごし、退院後の生活に影響が出ない身体機能を維持し、早期に復学や復職を可能とするために、移植前から退院後までリハビリテーションを行います。皆さんの症状に合わせて、リハビリ療法士(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が適切な治療を行い、皆さんのQOL(生活の質)の向上を目指します。

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臨床検査技師

血液生化学検査や心電図、肺機能検査の生理検査などを担当します。血液検査では血球数を測定し、血液像を顕微鏡で検鏡し細胞の分類を行い、生化学検査では肝機能、腎機能などを測定します。また骨髄検査に際しては骨髄塗抹標本を作製し、医師とともに顕微鏡で検鏡し骨髄像の判定を実施します。さらに造血幹細胞移植に際して重要な免疫抑制剤の血中濃度の測定も担当します。細菌検査室では、細菌培養検査などを実施し感染症の病原微生物の同定を担当します。腹部エコー、心臓エコーなどの超音波検査を実施することもあります。このような様々な検査を正確に実施するための専門技能・資格を持っています。
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輸血検査技師

輸血検査技師は、特に安全に輸血を実施するために専門的な知識と技術を持った検査技師で、輸血用血液製剤の管理やクロスマッチないしは交差適合試験などの輸血の準備を担当します。またチームとして末梢血幹細胞採取やドナーリンパ球輸注のリンパ球採取の際に用いる血液成分分離装置の操作を担当することもあります。

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造血細胞移植コーディネーター(HCTC)

造血細胞移植の安全性、倫理性を確保し、より多くの人々が高い水準の造血幹細胞移植の恩恵を受けられるよう介入します。
各病院に所属し、造血幹細胞移植が必要と言われた患者さんやご家族及び、ドナー候補となった血縁者の方には選ばれた段階(適格性検査前)から関わります。患者さん、ドナー候補者はもちろん、それぞれのご家族の意思決定支援から移植に至るまでサポートを行い、移植後も他職種と共に継続した関わりを行います。また、移植医療関係者や関連機関、化学療法を受けている病院などとの連携をはかり円滑な治療継続、最良時期に移植が行えるよう調整を行う専門職です。
Hematopoietic Cell Transplant Coordinatorの頭文字を取りHCTCと称します。
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メディカルソーシャルワーカー

MSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー)という職種は、日本語では「医療ソーシャルワーカー」と訳されており、主に医療機関で社会福祉の立場から相談援助を行っている専門職を指します。MSW の役割は、病気によって起こる経済的・心理的・社会的な問題に対して、さまざまな資源や制度の活用を通して、患者さんとご家族が問題解決されるのを側面からお手伝いさせていただくことです。
MSWは安心して療養生活が送れるように、あなたの療養をサポートしてくれることでしょう。
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精神科医・臨床心理士・公認心理師

がんと向き合う中で、精神的な疲労や苦痛を感じることがあるかもしれません。多くの場合、原因は思っているよりも複雑で、それが身体的な痛みを増強させていることもあるようです。専門的な治療やカウンセリングを行うことで、心や体のつらさを軽減するための支援をしています。

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歯科医・歯科衛生士

移植後は白血球の減少などにより免疫力が低下します。免疫力が低下すると通常は感染症の原因にならなかった細菌、ウイルスや真菌(カビ)が重篤な感染症を引き起こすことがあります。虫歯や歯周病も普段なら問題にならない程度であっても、免疫力が低下している場合は、急激に悪化し、口腔内の細菌やカビが歯肉から血液中に侵入し全身に広がり重篤な病状になることがあります。そのような事態に陥らないように歯科医・歯科衛生士は移植前から患者さんを診察し、虫歯や歯周病の治療を行い、移植後も口腔ケアのお手伝いをします。

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医事課職員

医療費や、各種の書類申請に関する事務を担当します。その他、造血幹細胞移植に関する様々な事務的手続きをサポートしています。

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