セカンドオピニオンとは、自分の主治医以外の第三者の医師の意見を求めることです。白血病やリンパ腫などの血液疾患は、しばしば診断が困難な場合があります。また医師によって治療に関する様々な考え方があり、推奨する治療方針も異なることがあります。特に造血幹細胞移植は、他の治療法に比べて合併症も多くリスクの高い治療法で、その適応や移植時期、移植方法に関して非常に難しい判断を伴うことがあり、施設ごとに考えが異なる場合があります。そこで移植の実施を決断する際に、躊躇する気持ちがある場合や疑問がある場合には、違う立場の第三者の意見を聞くことによって、より納得して治療を選択することができることがあります。
セカンドオピニオンを求める際には、まずは現在の医療機関で十分な病状説明を受けることが重要です。そのうえで他の治療方針はないか質問し、さらにセカンドオピニオンを受けることを提案してみてください。セカンドオピニオンの提案を躊躇される方もおられるかもしれませんが、多くの医師はセカンドオピニオンを求めることに反対することはなく、逆にセカンドオピニオンで提示された方針を含めて再度治療方針を検討することができるメリットを感じるものです。なお、セカンドオピニオンを受ける際には新たな検査や治療は実施されませんので、主治医からこれまでの治療方針や検査結果をまとめた診療情報提供書を提供してもらう必要があります。よって、できるだけ時間の余裕をもって早めに依頼することが大切です。また、セカンドオピニオンは決して主治医を変更することではなく、あくまでも第三者からの意見・提案を聞き、主治医にフィードバックして、今後の治療方針をともに決定をする際の参考とすることを目的とします。なお、現在、治療を行っている病院が移植を行っていなければ、専門病院へ転院して移植を受けることになります。その際は、複数の病院でセカンドオピニオンを受けることで、移植を行う病院を決定する参考にすることもできます。