両親から半分ずつの遺伝情報を受け継ぐきょうだいは、実際には30%の確率でHLAが一致するため、同胞(きょうだい)がドナーに選ばれることはめずらしくありません。ご両親は、病気のこどもに気持ちが向きがちですが、ドナーとなるきょうだいにも関心を払ってあげてください。そしてドナーとなるために必要なHLA検査を受ける前から、きょうだいの病気のことや治療について、十分に説明してあげましょう。ちいさなきょうだいでも、病気のきょうだいのことを心配したり、不安を感じています。
こどもの権利を守るという観点からは、患者さんであるこどもとドナーになるこどもは対等の立場です。ご両親には、患者さんに対する気持ちと同等の気持ちを持って患者きょうだいのこどもたちに接してください。そしてこどもなりに理解して納得して、検査を受けたりドナーになれるように、こどもの気持ちを尊重して接してください。将来のあるこどもが、ドナーという経験を通して、心に傷を負うのではなく、成長の糧になれるような関わりが大切です。
<参考になるHP>
日本小児血液・がん学会/造血細胞移植委員会
公益財団法人 がんのこどもを守る会 「小児がんとは」