一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

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3-7. CAR-T細胞療法の成績

最終更新日:2023年7月6日

リンパ腫を対象としたCAR-T細胞療法として、キムリア®、イエスカルタ®、ブレヤンジ®という3つの製品が国内で承認されています。製品により、対象となる病型や治療ライン(これまで受けた治療レジメンの数に対応する)が異なります。また、それぞれの製品の臨床試験では、登録された患者さんの状態が異なるため、製品毎の成績を単純に比較することはできません

① 第3ライン(2つ以上の治療後に再発した場合)以降のDLBCL

2つ以上の治療後の再発・難治びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対して、キムリア®、イエスカルタ®、ブレヤンジ®が承認されています。臨床試験で、奏効割合(リンパ腫の病変が50%以上小さくなる方の割合)は53~83%、完全奏効割合(リンパ腫の病変が消失する方の割合)は39~58%で、奏効が得られた方のうち50%以上が1年以上に渡って効果が持続していました5)6)7)

② 自家移植適応の高リスク第2ラインのDLBCL

自家移植適応の方で、初回化学療法後の完全奏効期間1年未満の再発・難治DLBCLに対して、イエスカルタ®、ブレヤンジ®が承認されています。臨床試験で、CAR-T細胞療法により奏効割合(リンパ腫の病変が50%以上小さくなる方の割合)は83~87%、完全奏効割合(リンパ腫の病変が消失する方の割合)は65~74%で、50%以上の方が1年以上にわたってリンパ腫の進行なく生存していました。この結果は、従来の標準治療(救援化学療法・自家移植併用大量化学療法)よりも良い成績でした8)

③ 自家移植非適応の第2ラインのDLBCL

自家移植非適応の方で、初回化学療法後の再発・難治性DLBCLに対して、ブレヤンジ®が承認されています。臨床試験で、CAR-T細胞療法により奏効割合は80%、完全奏効割合は54%で、奏効が得られた方のうち約50%が1年以上に渡って効果が持続していました9)

④ 第3ライン(2つ以上のレジメンでの治療後に再発した場合)以降のろ胞性リンパ腫

2つ以上の治療後の再発・難治性ろ胞性リンパ腫(FL)に対して、キムリア®が承認されています。臨床試験で、奏効割合は86%、完全奏効割合は69%で、80%以上の方が1年以上にわたってリンパ腫の進行なく生存していました10)

引用文献
5) Schuster SJ et al. Lancet Oncol 2021; 22: 1403-1415.
6) Locke FL et al. Lancet Oncol 2019; 20: 31-42.
7) Abramson JS et al. Lancet 2020; 396: 839-852.
8) Locke FL et al. N Engl J Med 2022; 386: 640-654.
9) Sehgal A et al. Lancet Oncol 2022; 23:1066-1077.
10) Fowler NH et al. Nat Med 2022; 28: 325-332.

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