一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

CAR-T細胞療法について

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第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会
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3-2. 従来の治療法との比較

最終更新日:2023年7月10日

CAR-T細胞療法は、患者さん自身のリンパ球を白血球アフェレーシスという方法で採取して、その中にあるT細胞に人工的な遺伝子を導入して「CAR-T細胞」を製造し、リンパ球除去化学療法後にCAR-T細胞を投与(輸注)する細胞療法です。CAR-T細胞療法を行うには時間がかかります。例えば、白血球アフェレーシス(3-3)やCAR-T細胞輸注(3-5)などのステップについて、日程等の調整が必要となります。またCAR-T細胞の製造には数週間単位の時間がかかります。。

CAR-T細胞療法では、CAR-T細胞が患者さんの体内でリンパ腫の細胞と反応して増えて効果を発揮します。CAR-T細胞は、多くの場合、数ヶ月以上にわたって患者さんの体内で生き続けることも分かっています。

造血幹細胞移植は、患者さん自身、または血縁者または非血縁者のドナーに由来する造血幹細胞(血液の細胞全ての「もと」になる細胞)を移植する治療です。一方、CAR-T細胞療法では患者さん自身のリンパ球に人工的な遺伝子を導入して、それを投与(輸注)する治療です。このためCAR-T細胞からは赤血球・血小板・好中球などの血液細胞は作られません。

ライン以上の治療歴があるDLBCLの方に対するCAR-T細胞療法では、一部の方で完全奏効(リンパ腫の病変が消えた状態)が得られ、完全奏効が得られた患者さんの多くで長期にわたり効果が持続します。従来の治療法と直接比較する臨床試験は行われたことがありませんが、CAR-T細胞療法では、他の臨床試験や通常の診療で治療を受けた同様の状態の方と比べて、より多くの方で完全奏効が得られ、効果が持続するということが分かっています。また、少なくとも一部の方ではCAR-T細胞によりリンパ腫が治ると考えられています。

自家移植適応の再発・難治性DLBCLの方のうち、初回治療が奏効しないか、完全奏効後、早期(1年未満)に再発した方を対象に、CAR-T細胞療法と、従来の標準治療(多剤併用救援化学療法と、それが奏効した場合、自家移植併用大量化学療法を行う)を比較した試験が行われました。この試験では、CAR-T細胞療法の方がすぐれた成績であることが示されています。

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