リンパ腫に対するCAR-T細胞療法では、CD19というB細胞のマーカーを標的としているため、B細胞リンパ腫が対象となります。詳しくいうと、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、形質転換を起こしたろ胞性リンパ腫などが主な対象で、製品によっては縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫などや濾胞性リンパ腫も対象となります。このうちDLBCLではCAR-T細胞製品ごとで、治療時期(前治療数:1
ラインか2
ライン以上か)および自家移植適応の有無で適応があるかないかが異なります(表2をご覧ください)。
表2

(注)2023年2月時点の適応を示す。
以上のようにCAR-T細胞療法の適応は、製品や病型等により細かく規定されているため、ご自分の病型・状態でCAR-T細胞療法が治療選択肢になるかどうかは担当の先生にご相談ください。また、CAR-T細胞療法を行っている医療機関は、リンパ腫の治療を行っている医療機関のうち一部に限られています。このため、CAR-T細胞療法を行っていない医療機関でリンパ腫の治療を受けている方については、CAR-T細胞療法が治療選択肢となった時点で、CAR-T細胞療法を実施している医療機関にかかっていただき相談することをお勧めします。また、実際に治療を受ける際には転院して行うことになります。