2023年に、CAR-T細胞療法を受けた患者さんで、後になってT細胞性のリンパ腫を発症したという報告がされました。このうち一部の患者さんでは、CAR-T細胞そのものが原因の可能性があると報告されましたが、その割合は非常に少ないものでした(CAR-T細胞療法を受けた27,000人の患者さんのうち、22名がT細胞性リンパ腫を起こし、そのうち3名にCAR-Tが原因の可能性)。
日常診療においては、この合併症を極端に恐れる必要はないと考えます。ただ、CAR-T細胞療法に限らず抗がん剤治療を受けておられる患者さんは一般的にリンパ腫やその他の悪性腫瘍に罹患する割合が高い(「二次性発がん」と呼びます)ことから、治療終了後も定期的な経過観察が必要です。