一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

CAR-T細胞療法について

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第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会
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5-3. 感染症

最終更新日:2023年7月6日

CAR-T細胞療法を受ける患者さんは、長期間にわたる抗がん剤治療を受けていることが多く、もともと易感染宿主(感染症にかかりやすい・重症化しやすい)の状態にあるといえます。このような患者さんにCAR-T細胞療法を行った場合、生体内のB細胞と呼ばれるリンパ球が著明に減少し、その結果、抗体と呼ばれる病原体を排除するタンパク質を産生する力が低下します。これは、低ガンマグロブリン血症と呼ばれ、感染症が重症化するリスクが高い状態で、採血検査を行い血清IgG値が低値であることで診断されます。

そのため、CAR-T細胞療法を受けた、あるいは受ける予定の患者さんは、感染症に関しては症状が出てからの対応ではなく、事前の予防が重要です。例えば、CAR-T細胞投与前後には、抗菌剤(キノロン系)、抗ウイルス剤(アシクロビルなど)、抗真菌剤(フルコナゾールかミカファンギン)、ニューモシスチス肺炎予防(ST合剤)の予防的投与が推奨されています。長期的には、抗ウイルス剤は1年程度、ST合剤は半年程度継続することが必要です。また、低IgG症例には、ガンマグロブリン製剤の点滴を受けていただくことが有効です。もちろん、手洗い・うがいが基本の感染予防策ですので、入院中だけでなく、退院後も継続して感染予防を行うことが重要になります。

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