一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

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4-7. CAR-T細胞療法の成績

最終更新日:2025年5月14日

プロテアソーム阻害剤、免疫調整薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤の3種類の薬剤の使用歴がある場合、triple-class exposed (TCE)といいます。TCEでかつ直近の治療に再発・難治の場合、従来の治療法は限定されるので治療成績は十分ではないことが知られています。海外の報告ではそのような患者さんで既存の治療を行った場合の全生存の中央期間は8-9ヶ月と報告されており、その予後は不良であることが報告されています。一方、CAR-T細胞療法ではアベクマ®というCAR-T細胞製剤では、全奏効率が73%で完全奏効率が33%、全生存の中央期間(100人が治療を同時に開始して50人が死亡するまでの期間)は19.4ヶ月11)であり、カービクティ®というCAR-T細胞製剤では、全奏効率が97.9%で完全奏効率が82.5%、投与後27カ月時点の生存率は70.4%という結果でした12)。最近では今までの治療歴が2ラインかつTCEであれば、アベクマ®は使用できるようになっています。このような条件の患者(治療歴が2-4ライン)に対して、既存の治療群とアベクマ®投与群を直接比較した臨床試験が行われています13)。この試験では既存の治療群に割り当てられた患者さんも再発後にアベクマ®の投与が認められています。全生存の中央期間はアベクマ®群で41.4ヶ月、既存治療群で37.9ヶ月であり、前治療歴が2ラインの患者の無進行生存の中央期間(100人が治療を同時に開始して50人が病勢進行もしくは死亡するまでのどちらかまでの期間)はアベクマ®群で16.2ヶ月で、早期に投与した方が良い傾向が認められました。このようにCAR-T細胞療法では従来の治療法と比較して良好な治療成績が得られたことが報告されています。

引用文献
13) Ailawadhi et al. Blood 2024;144(23):2389-2401.

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