移植したドナーさんからの造血幹細胞が骨髄に入って新しい血球をつくり出すまでには移植後2~4週間の時間がかかります。この間白血球がほとんどない状態が続くため、患者さんは移植患者さん用の病室(防護環境、クリーンルームともいいます)で生活することになります。移植病室には空気中の細菌や真菌などをろ過する機能を有するHEPAフィルター*という装置が設置されていて肺炎などの予防に有効であるとされています(ただしウイルスには残念ながら有効ではありません)。また白血球が極端に少ない期間をできるだけ短くするため、移植後に白血球を増やすG-CSFという薬剤を投与することがあります。しかしながらこの時期は、多くの患者さんに発熱が認められ、移植前処置による影響で重篤な下痢や口内炎といった症状も出ることがあります。
*HEPAフィルターを通した空気を一方方向に流すことにより、病室の清浄度をチリの数1立方フィート中100~10000以下に保つことができます。