移植前検査
全身状態の評価としては、移植前に患者さんの循環器系、呼吸器系、消化器系、肝機能、腎機能その他の全身疾患等について検査を行います。また。移植後の感染症のリスクになりうるような感染源を有していないか、口腔内のチェック(虫歯、歯周病、口内炎の有無)、肛門のチェック(肛門周囲膿瘍や痔核の有無)、副鼻腔のチェック(副鼻腔炎の有無)などを実施します。
もちろん、原疾患の状態も骨髄検査、髄液検査や画像診断によって厳密に評価します。
=移植前検査の一例=
【血液検査】
< 輸血関連>
< 一般血液生化学>
- 末梢血血算、白血球分類、網状赤血球数、生化学、電解質、甲状腺機能(FT3,FT4,TSH)、凝固系検査、血糖、可溶性IL-2 レセプター(リンパ腫の場合)
< 感染症>
- HBs 抗原、HBs 抗体、HBc 抗体(いずれかが陽性の場合はHBV-DNA も測定)、HCV 抗体(陽性の場合はHCV-RNA も測定)、梅毒TPHA,梅毒STS、HIV 抗体、HTLV-1 抗体、各種ウイルス抗体価、真菌関連検査、トキソプラズマ抗体価など
【尿検査】
【生理検査】
【放射線検査】
【移植前キメリズム検査】
- 移植前キメリズム検査(生着確認ができるように移植前から準備します)
【他科受診】(以下の全ての科に受診が必要なわけではありません)
- 放射線科(放射線治療科):全身放射線照射などを実施する場合
- 歯科・口腔外科:虫歯の治療,口腔ケア
- 婦人科・泌尿器科:卵子あるいは精子保存
- 外科(肛門科):肛門病変,感染巣の評価
- リハビリ科:移植前後のリハビリテーションの計画を立案します。
- 緩和ケアチーム:移植後の口内炎などの疼痛管理の計画を立案します。
- 精神科(心療内科):移植に関連する精神的ストレスの軽減