一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

CAR-T細胞療法について

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第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会
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6-2. 実際にかかる平均的な費用と概要

最終更新日:2023年7月6日

CAR-T細胞療法を受けるためには、主に3つのステップ(アフェレーシス、ブリッジング療法、投与)に分かれますが、いずれも保険診療として行われます。 アフェレーシスは、CAR-T細胞の原料となるリンパ球を、ご自身の体内から取り出す作業です。太目の静脈に留置したカテーテルなどから血液を体外に導き、持続血球分離装置の中で遠心分離を行い、リンパ球が多い層を回収し、残りを体内に戻すという作業です。アフェレーシスそのものの手技料は、イエスカルタ、ブレヤンジ、アベクマの場合14,480点(144,800円)、キムリアの場合19,410点(194,100円:細胞の凍結費用を含む)と規定されています。その他に、カテーテル留置した場合はその費用、採血やレントゲンなどの検査費用、様々な管理加算が加わります。

殆どの場合は入院で実施し、食事療養費や差額ベッド代を除いた平均的な医療費は、2泊3日(アフェレーシス前日入院、アフェレーシス翌日退院)で平均44万円(38~56万円)、3泊4日(アフェレーシス2日前入院、アフェレーシス翌日退院)で平均50万円(38~56万円)でした*1

このうち、患者さんの自己負担は、多くの場合2~3割となります(年齢及び所得で決められている)。高額療養費制度の上限を超えている場合には、自己負担限度額までの負担となります。この自己負担額も年齢および所得で計算方法が決められています。
高額療養費制度に関しては、本学会HP内の「高額療養費」のページをご参照ください。

アフェレーシス後、CAR-T細胞療法の投与までの期間(1-2ヶ月)は、ブリッジング療法と称して、通常の化学療法が行われます。費用負担は、これまで受けてこられた治療と同じ考え方です。 一方で、CAR-T細胞の投与が決まれば、再度入院の上、リンパ球除去化学療法を受けた後、1-2日空けてCAR-T細胞の投与が行われます。投与時の医療費は、CAR-T細胞そのものが3,000万円を超える高価な薬価が設定されていることもあり、若干の幅がありますが平均3,660万円(3,500万円~4,370万円)でした*1。患者さんの自己負担分である2~3割負担でも、700~1,200万円はかかるため、高額療養費制度における自己負担限度額までの支払となります。ただし、投与入院における期間は平均41日(23-98日)でしたので*1、その分の食事療養費や差額ベッド代(ご本人の希望で有料個室などに入られた場合)は追加必要となります。

なお、CAR-T細胞療法においては、アフェレーシスで得られた細胞や、CAR-T細胞は、凍結状態で治療施設と海外の製造工場を行き来しますが、その運送費などは薬価に含まれていますので、追加の請求はありません。

*1:京都大学病院の場合を例として挙げています。
  入院基本料、加算等については、各病院の人員配置や体制により異なります。

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