一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会 Japanese Society for Transplantation and Cellular Therapy

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1-2. ドナーになるのは自由意思

最終更新日:2018年5月17日

造血幹細胞の提供は、誰かに強制されるものではなく、ドナーの自由意思による善意の行動です。そのため、ドナーになるには「提供したい」という思いがあることが大切です。

骨髄バンクに登録しているドナーは、自発的意思でドナー登録を行い、コーディネート開始から提供後に至るまで一貫して日本骨髄バンクが関与し、ドナーの自由意思が守られます。定められた手順に添って、骨髄バンクコーディネーターが担当し常にドナーの意思や都合が優先されます。匿名性も維持されるため、患者サイドからのプレッシャーを受けることなく提供を決定できます。最終同意面談では、ドナーに加え、ご家族の意思も確認されますので、心配やお困りのことがあれば、骨髄バンクコーディネーターに相談すると良いでしょう。

血縁ドナーは、ドナーになるまでのすべてのプロセスが患者さんの入院する移植施設に一任されます。ドナーが不安や思いを表示できる場が少なく、また、匿名性がないために周囲からの期待やプレッシャーを受けやすく、患者の病状や移植後の経過によっては、ドナー自身の苦悩や精神的負担も大きくなります。そのため、血縁ドナーの自由意思が尊重されるよう、以下について知っておく必要があります。不安や疑問があれば、いつでも医療者に相談してください。

正しい情報を得ましょう

造血幹細胞の提供は、ドナーの健康や安全を大前提に行われます。一連の造血幹細胞の提供は かなり安全性の高いものですが、医療行為である以上、リスクも伴います。過度な心配や安易な承諾を避けるためにも、提供に関する適切な説明を医療者から納得するまで十分に聞くことが大切です。

遠方に在住で、直接説明を聞くことが難しい場合は、電話で話を聞く、移植施設のドナー用説明文書や資料を郵送してもらうなど、正確な情報を得ましょう。

<説明を受ける内容>

ドナーさんが抱える健康上の問題、仕事や子育てなど社会的な事情、医療処置への不安や心配などについて、医療者に相談しましょう。ドナーさんに提供への強制力が働かないよう、HCTC(造血細胞移植コーディネーター)や患者主治医以外の医師など、可能であれば第三者的立場の方が良いしょう。

患者さんの前処置が開始されるまでは提供を断ることができますが、治療開始直前の提供拒否は患者さんの病状に大きく影響しますので、提供を迷われているときは、できるだけ早く医療者に相談してください。

ご家族の同意も確認しましょう

ドナーになるにあたり、そのご家族にも不安や心配があると思います。ご家族には、言い出しにくい思いがあるかもしれませんので、ご自分のご家族の気持ちを確認しましょう。

説明の場にはご家族に同席してもらいましょう

医療者から説明を受ける際には、ドナー自身やご家族が抱える不安や心配な気持ちを、正直に医療者に伝えにくくなってしまいますので、ご家族や頼りに思う方に同席をしてもらうのが良いでしょう。他方で、患者さんや患者さんのご家族の同席を避けてもらいましょう。移植を待っておられる患者さんの前では、採取に関して医療者に質問することに「ためらい」が生じがちです。

HLA検査はドナーになる心づもりで受けましょう

HLA検査を受けることは、「ドナーとして造血幹細胞を提供する」ことにつながる大きな一歩です。HLAの結果が判明し、HLAが適合しているのに持病や過去のご病気が理由で提供ができない場合や提供を断ることは、心情的な苦しみを伴います。ドナーになる心づもりでHLA検査を受けましょう。

HLA検査の結果、HLAの条件が適していた場合でも、提供を断ることはできます。結果が出るまでの間、提供する/しないについてもう一度よく考えておきましょう。

HLA検査を受ける前に…

 

 

 

 

 

金品授受は禁止されていますが、ドナーの費用負担に配慮してもらいましょう

患者さんとドナーの間で、提供のお願いや謝礼などを理由とした金品授受は禁止されています。ただし、HLA検査の費用や交通費などドナーの費用負担が大きくならないよう、配慮してもらいましょう。

 

【参考・引用文献】

加藤俊一編;よくわかる造血幹細胞移植コーディネート,医薬ジャーナル社,2010

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