小児の未分化大細胞型リンパ腫 (ALCL) の長期無イベント生存率は約70%であり、約30%が再発・難治例である。造血幹細胞移植は再発・難治性ALCLに対する根治的な治療法の1つであるが、日本造血・免疫細胞療法学会の移植登録一元管理プログラムデータに基づいた本邦での小児の再発・難治例における解析結果では同種造血幹細胞移植の5年無イベント生存は50%にとどまる。同種移植では5年累積治療関連死亡率が25%と極めて高いことから、骨髄破壊的前処置によって重度の治療毒性が生じている可能性が示唆される。本試験では、再発・難治性ALCLに対する骨髄非破壊的前処置を用いた同種造血幹細胞移植の有効性を検証する。
20歳未満の再発・難治性ALCLに対する骨髄非破壊的前処置を用いた同種造血幹細胞移植の安全性と有効性を検討する。
20歳未満のALCLで、初発時化学療法に対して寛解導入不能例、または化学療法および自家移植後の再発例。
多施設共同非盲検無対照試験
骨髄非破壊的前処置として、全身放射線照射TBI 4 Gy、フルダラビン 150mg/m2、メルファラン 140mg/m2を用いる。移植細胞源は骨髄および臍帯血を原則とするが、末梢血幹細胞も許容する。
移植後1年無イベント生存割合
移植後2年全生存率
移植後100日での好中球生着率
移植後100日での治療関連死亡率
移植後2年累積再発率
急性GVHDの発症頻度と重症度
慢性GVHDの発症頻度と重症度
ドナーリンパ球輸注ならびに再移植を施行した症例の頻度
キメリズム解析(移植後30日、100日) など
10〜18例(有効例と無効例の割合によって変動)
症例登録期間:2019年9月6日〜2025年9月5日
研究期間:2019年9月6日〜2027年3月31日
深野 玲司
山口大学医学部附属病院小児科
深野 玲司
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