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カテーテル抜去後の遅発性下肢深部静脈血栓症の有害事象について

最終更新日:2022年12月28日

このたび、血縁ドナーの末梢血幹細胞採取においてカテーテル抜去後の遅発性下肢深部静脈血栓症の有害事象が報告されました。以下に症例情報とドナー委員会の総括を提示します。移植医各位におかれましては、この事例を参考にしていただき、安全な造血幹細胞採取を心がけていただくようお願い申し上げます。

症例情報

  • 報告年:2022年
  • 事象名:カテーテル抜去後の遅発性下肢深部静脈血栓症
  • ドナー年齢:40歳台
  • 性別:女性
  • 採取幹細胞種類:末梢血幹細胞
  • 発現日:採取終了日の8日後
  • 転帰:軽快

総括:

末梢血幹細胞採取において、採取初日には末梢の血管を確保して行ったが流速が不十分であったため、翌日(採取終了日)には右鼠径部より透析用カテーテルを挿入して採取を行い、採取終了後カテーテルを抜去した。採取終了8日後より右下腿浮腫を自覚した。改善無いため採取終了13日後に外来受診、CT所見等から深部静脈血栓症と診断された。入院のうえ抗凝固薬を投与され軽快、採取終了26日後に退院した。

鼠径部へのカテーテル挿入に伴う深部静脈血栓症は以前より報告されており、G-CSFも誘因となる。今回はカテーテル抜去後8日間を経てから生じた事象である。末梢血幹細胞採取のためにカテーテルを挿入したドナーにおいては、遅発性血栓症が起こる場合もあるため、注意が必要である。

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